こんにちは、ヒロクリニック訪問診療 楠本です。
突然ですが。皆さんは、CPAPってご存知ですか?

内科や呼吸器医療に関わってきた方なら、耳にしたことがあるかも知れません。

今回から数回にわたり、CPAPについてお話してみます。

在宅診療でも導入している方に対応することがありますから、「実は良く知らない…」という方はぜひここでこっそり学んでいただき、「聞いたことあるよ」という方は再確認としてご覧いただけたらと思います。

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CPAPとは、Continuous Positive Airway Pressureの略語で、日本語では『持続的陽圧呼吸療法』といいます。

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome、SAS)などの呼吸障害を治療するために使われる医療機器で、睡眠中に気道が塞がれるのを防ぐために鼻や口を通して気道に正の圧力を供給するもの。ざっくりいうと、睡眠中の呼吸を補助して無呼吸状態を防ぐための装置です。

睡眠時無呼吸症候群についてもお伝えしておくと。

睡眠時無呼吸症候群というのは、睡眠中に呼吸が一時的に停止する状態をいいます。

睡眠時に「突然いびきをかく」「いびきが途中でとまる」などを家族に指摘される、また、日中に過度の眠気に襲われる、といったことで気づくケースが多いでしょうか。

睡眠時無呼吸症候群の原因として多いのは「生活習慣」や「肥満」です。

喫煙は気道などに炎症が起こりやすくなりますし、飲酒や過労によって筋緊張が低下して気道の閉塞が起こりやすくなることもあります。また、肥満によってのどに脂肪がつくことで気道が狭くなることも原因のひとつ。

他にも「骨格」によって起こりやすかったり、脂肪の付き方によって「男性」のほうが起こりやすいなどの特徴があります。気になる方は一度ご相談いただければと思います。

では、なぜ睡眠時無呼吸症候群は治療しないといけないのか。

それは、睡眠時の無呼吸が繰り返されると十分な睡眠が取れず、日中の過度の眠気や集中力の低下など、生活の質を下げる可能性があるからです。日中の活動に影響が及べば、思わぬ事故を引き起こすこともありますから、「たかが睡眠」と侮ることはできません。

また、治療されない睡眠時無呼吸は心臓病や脳卒中などのリスクを高めることが知られています。

たとえば、睡眠時に無呼吸状態が続くと低酸素血症や血流障害がおこり、心臓の収縮期にかかる負担が大きくなります。そして、日中の交感神経やストレスが影響し、結果として心臓の動きが抑制され動脈効果を助長してしまう。つまり睡眠時の無呼吸を防ぐことは心臓疾患の予防になるのです。

そんな、睡眠時の無呼吸を防ぐのがCPAP。

CPAPは睡眠時に装着するマスクから、一定の圧力で空気を送り込むことで気道が閉塞するのを物理的に防ぎます。CPAPで呼吸を補助することで無呼吸の発生を減少させ、睡眠の質を改善します。

いかがでしょうか?

なんとなくCPAPについてイメージできましたか?

今後もCPAPについて詳しくお伝えしていきますので、一緒に理解を深めていってもらえれば幸いです。!