こんにちは、ヒロクリニック事務の上村です。
今月でヒロクリニック開院から4か月が経ちました。
毎日色々なことが起きる中、診療チーム事務チーム一丸となって、地域の皆様のお役に立てる医療を目指し日々邁進しています。
本日は、ヒロクリニック開院に伴い、総合病院から訪問診療へと活躍の場を移した当院看護師長の西川看護師に、訪問診療についての思いをうかがってみました。
人生に踏み込んで共にする
〇西川看護師は30年間総合病院で看護師を続けてこられて、ヒロ先生からの熱いご要望でヒロクリニックに来ていただけることになったわけですが、病院と比べて訪問診療の違いや訪問診療ならではの醍醐味・やりがいを感じる点は何だと思われますか?
●病院にいる時は、病院以外での患者さんのことって全く知らないじゃないですか。患者さんが病院に入ってくる前のことも出た後のことも何も知らない状態です。広く浅くの付き合いがほとんど。それが訪問診療だと、〝その人をすごく知る〟というか、人生に踏み込んでいる感覚があります。緩和ケアで入らせていただいている方だと特にそうで、その方の“人生の最後に踏み込んで共にする”って、病院勤めの時にはなかったことで、すごいことだなと思っています。
○入院患者さんが亡くなることもあったと思いますが、それとは違いますか?
●全然違いますね。短い期間であっても、何故だろう?思い入れも違います。濃厚というか、濃密な関わりに感じます。
それから看護師の仕事以外にも、ケアマネージャーがいて、訪問看護が入って、訪問薬局もあって、それぞれがこんな動きをしてこうやって患者さんに繋がっていくんだという一連の流れも、ここで初めて知ったことでした。総合病院では、部署ごとに業務がはっきりわかれていて、もし退院調整などにかかわる部署にいたら私も知っていたかもしれないけれど、一切そういう部署にもいなかったので、私にとっては新たな発見でした。
看護のベースは変わらない
○反対に、訪問診療の難しさや何か戸惑いを感じることは?
●処置、例えば針を刺すだとか、患者さんの前で失敗しちゃったらどうしよう、とかそういう緊張感は病院にいた時と同じくありますが、(訪問診療業界に)意外とすんなり入れたかなと思います。あまり抵抗はなかったですね。性格かな?笑
○それはやはり、性格だけでなく30年の実績があるからでは?
●まあ何とか出来る!こなせる!と思うタイプかなとは思います。わからないことは聞きますし。鈴木さん(訪問診療看護師)に教えてもらったり、やり方を見て真似てやってみたりしています。周りの人に優しく助けてもらっています。違いは色々感じるけれど、看護のベースは一緒で、患者さんに対する想い、優しさ、ケアは看護師であるなら一緒だと思っています。ただやはり一人一人それぞれに合わせるには、経験が生きてくることもあるのかな。あとは、病院だと色々なものが揃っていて、検査とか処置とかすぐできるけれど、訪問は(積極)治療ではないから、できる範囲のものを上手く使いながら、治療と心のケアを合わせて施していけたらと思っています。
最後の顔
○普通の病院だと、患者さんは治す目的で来るので、治療して、入院して、治してあげて帰って行く、というところに看護師さんとしてのひとつ大きな達成感や喜びがあるかと思うのですが、訪問だとそれがない。では何に喜びややりがいを見出していらっしゃるのでしょう?
●私は〝最後の患者さんの顔〟なんです。穏やかな顔。患者さんの最後の穏やかな顔を見たときに、私たちがやってきたことは間違ってなかったなと思えます。病院にいた時も亡くなる方はたくさん見てきましたが、正直そんなに深く考えたり感情移入することはなかったんです。忙しかったのもあるし、次にやることが決まっていたからすぐに切り替えたりしていました。亡くなった患者様のご家族から、「先生のところにお願いして本当によかったです」とか、ある患者さんの奥さんからは「私の時もこうしてもらおうと思って娘に言っておきました」なんて言葉を聞くと、あぁやっててよかったなあ、とすごく感じますね。
あとは、ヒロ先生もそうだけど、〝お一人お一人に〟(時間をかけられる)というのが病院とは違いますね。どんなに次の患者さんが控えていたとしても、〝お一人お一人を丁寧に〟(診る)というところが。先生が何十人もの患者さんを短時間でバーっと診てバーっと帰る、というやり方だったら、(ヒロ先生と)一緒にやれていないと思います。患者さんもご家族も色々なタイプの方がいますので、それぞれに合わせて、踏み込まないようにして必要なことだけ教えていただく場合もありますが、たくさんお話を聞いてほしい方にはじっくり聞いてあげられるというのも訪問診療の醍醐味なんだと思います。
〇最後に、西川さんはすごくコミュニケーションをとるのが上手だと思うのですが、なにか気を付けていることはありますか?
●“寄り添う”っていうことが大事です。よく言われていることですが、私は人の手のあたたかさを大事に思っています。先日亡くなった患者様の奥様にもたくさんハグをしました。その時も、手のあたたかさや言葉の力は大きいだろうなと感じました。そしてそういうこと(コミュニケーションの取り方)が自分は苦手ではないですね。
まだまだ知らないことの苦労はあるけれど、辛さはなくて、自分が関わったことで患者さんが少しでも救われたらいいなといつも思っています。人の人生の最後に、他人でありながら関わるって、普通はないですから、これは医療従事者ならでは、訪問ならではだと思います。
西川看護師のインタビュー、いかがだったでしょうか?
西川看護師とヒロ先生は、前職場で長く共に働いていたことから、ヒロクリニック開院すぐから阿吽の呼吸でスムーズな診療がおこなわれており、患者様には安心してお任せいただいております。
こちらのブログでは、時々このようにスタッフ紹介もしていきたいと思っておりますので、訪問診療をご検討の際など、ぜひご参考にしていただけたら嬉しいです。